俯瞰風景
空の境界が3巻まであったので借りてきました。
ちなみに、原作は読んでません。
つーかTYPEMOON作品は原作以外で内容を知ってるレベル。
「全て遠き理想郷」っていい響きだなぁ、程度に。
まずは第1章・俯瞰風景の感想を。
ネタバレあるので一応「続きを読む」で。
いきなり前置きなしで始まっていく物語。
それもそのはず。
1巻=1時間でエピソードが進み、それぞれの時間軸は前後するシナリオみたい。
事前知識として主人公と相棒はなんとなく知ってたけど、原作未見は置いてかれる感は否めないでしょう。
んで、見始めて思うことがもう一つ。
・・・アニメ映画にしちゃあ、・・・そのぉ、・・・作画イマイチじゃないかなぁ?
なんか崩れてるような、週間アニメの気合入ってないパートの感じに見受けられました。
と、最初は期待はずれかな・・・?と思わせつつ。
物語は高層ビルからの連続転落死事件をなぞっていきます。
ニュースに興味を持った式が事件現場のビルに赴くと、ちょうど新たな死体が。
そして屋上付近に飛ぶ8人の幽霊・・・。
そして最初の戦闘から少しずつ面白くなってきます。
眼の輝きが変わって戦闘体制になる式がちょっとベタで、グッドです。
差し込まれる黒桐への思いの描写がまたグッド。
アイス食べるシーンがかなりニヤニヤする。
式の特徴的な衣装である革ジャン+着物も登場。
余談だけど、この出で立ちはかなりオリジナリティだなぁと前々から思ってました。
すげーな、武内崇。
そして幽霊たちとの戦闘で物語はクライマックス!
作画さんも気合入ってきて、前半とはレベルが違う絵に。
「殺さなきゃなぁッ!」と叫びながら幽霊に向かう式。
そして式の眼に映る幽霊たちの死線。
月姫の主人公と同じ直視の魔眼ですね、多分。
幽霊なのにスパスパ切れて、シュンシュン消えます。
スピード感があるのはいいけど、一方的過ぎてもはや虐殺。
だが、それがいい。
そしてリーダー格を殺したところで、舞台は一転。
病室?
また、よくわかりません。
ただ、病室で横たわるのが先ほど殺された幽霊のリーダーとそっくり。
そこへ先生が登場。
話を進めるに、やっぱり病室の彼女=幽霊である様子。
二つの体と空からの視点を持っている、そんな能力「俯瞰風景」の持ち主だったと。
・・・いや、ココでようやくサブタイトルの意味が分かりましたよ。
何かかっこいい能力名だなぁ。
「二重存在」とも呼ばれてるみたいだけど。
つーか、明らかに「黒幕います」的な発言したなこの人。
さて、代償に視力を失ったかわりに、彼女は自由を手に入れた・・・かに見えた。
幽霊になった彼女。
もちろん、誰も気づいてくれない。
彼女は考える。
そして、友達を増やす方法を考え付く。
「誘ってあげれば気づいてくれると思った」
そうして彼女同様、空に魅せられた少女たちをその俯瞰に飛ばせていったのであった。
事件はこうして解決し、幕切れとなる。
と、みせかけてー!
やっぱり犯人は現場に行くわけですね。
火サスでも行くトコは現場か崖ですものね!
先生は去り際に彼女に言う。
「浮遊するか飛行するか俯瞰風景を自分で選べ。
罪の意識で選ぶと間違うぞ。
人は罪を背負って道を選ぶのではなく、選んだ道で罪を背負うべきだからな」
「浮遊」と「飛行」の違いは、ズバリ目的。
そして彼女は選ぶ。
病院暮らしの長い彼女は、幽霊として殺されたことで初めて「生」を実感できた。
となるとやっぱり、もう一度「死」を体感したくなるわけで。
式の手による死が特別だったのは彼女も気づいていて、それでもその死に近づくにはどうしたら良いか?
空に魅せられた彼女にとって、それが転落死なのは明白。
このシーンは悲しいけれど、彼女にはこの死こそが救いなんだと思います。
ラストシーンで事件の8人目として報道される彼女の死。
マスコミと人ごみで溢れかえる現場を後にしつつ。
「先生はどう思いますか?」
「今日はたまたま、飛べなかったんだよ・・・」
こ れ は 惚 れ る 。
もうね、この台詞の素晴らしさ。
一気にこの映画の評価急上昇。
んで、最後に式デレですよ。
「今日は泊まってけ」ですよ。
こ れ は 惚 れ る 。
もうね、この台詞の素晴らしさ。
一気にこの映画の評価急上昇。
あれ、デジャブ?
みたいな感じですが、スゴク萌える。
「女の子なんだから」と言葉遣いを注意されるが最初から知ってるわボケェですよ。
こんなに可愛くしといて男設定とか、フツーにないわ。
つーわけで、ナカナカの良作でした。
残りも楽しみです(^-^)
※こちらのブログさんの感想に一部インスパイアされております。
http://d.hatena.ne.jp/NIDHOG/20080828
http://d.hatena.ne.jp/NIDHOG/20080829